弘長寺

Q 「御霊前」と「御仏前」の違いについて?

Q 「御霊前」と「御仏前」の違いについて?

A 「御霊前」と「御仏前」は各宗派により違いがあるかも知れませんが、弘長寺においての説明をさせて頂きます。昔は、葬儀や法要の時に備えるのは、地方ではお金がなく野菜などの農作物や供物などを供えたものでした。現在では金品を供えることが多くなりました。そして「御霊前」と「御仏前」の違いですが、こちらでは、弘長寺では葬儀の時に七本塔婆を書きます。それは故人が亡くなり49日間を中陰(ちゅういん)または中有(ちゅうう)と言います。この期間は、故人があの世へ旅立つ期間であり、故人が生と死、陰と陽の狭間にいるのでこのような呼び方をします。その間初初七日忌、二七日忌、三七日忌・・・と住職が故人の生前の罪を悔い改めるために経を読みます。よってこちらでは「四十九日忌まで仏さまが家の中にいる」と言われています。(家の中に神棚がある家は、神様は忌事を嫌うために49日間(四十九日忌法要が終わるまで)神棚に和紙などで目隠しをします)よって満中陰忌(四十九日忌)法要までは「御霊前」とし、それ以降は故人があの世へ旅立ったので「御仏前」とします。現在は、包み袋に「御霊前」や「御仏前」(“仏さまへ”という意味であり)と印刷されていて、それに金品を包みますが、仏さまへお金を差し上げても仏さまは自分で使うことはできません。これは昔から野菜などの農作物や供物を仏さまへ供えた風習から来ています。本来なら「御香資」や「御香料」と書き、その中に金品を入れて喪主または施主へ渡して、「私の代わりにお香を買って仏さまへ供えてください」というのがよいのかも知れません。・・・ですが一般的には「御香資」や「御香料」と印刷されているものが中々見当たりません。