弘長寺

Q)仏さまへお酒をあげてもいいですか?(檀家さんからの質問)

Q)昨日の法事で、檀家さんから仏さまへお酒をあげてもいいですか?という質問がありました。

A)仏さまは戒を受けて仏門に帰依した者として住職が戒名を授けます。“戒”とは5つの戒律を指し、1.不殺生戒(ふせっしょうかい)・・・生き物を殺してはならない、2.不偸盗戒(ふちゅうとうかい)・・・他人のものは盗んではならない、3.不妄語戒(ふもうごかい)・・・嘘をついてはならない、4.不邪淫戒(ふじゃいんかい)・・・みだらな邪淫をしてはならない、5.不飲酒戒(ふおんじゅかい)・・・酒を飲んではならない、という戒律です。この中で「不飲酒戒」の戒律すなわち、お酒を飲むと正気を失い堕落してしまうということからお酒はダメなのです。昔は、お酒を「般若湯(はんにゃとう)」[般若は、インドの言葉“パーニャ”の音写で“智慧(ちえ)”という意味]として、お酒ではなく智慧の付くお湯として、飲んだり、仏さまへあげたりしていました。現在、法要後のお斉(おとき)[会食]では、「生前、故人もお酒が大変好きだったので・・・」などと言ってお酒を出すのが一般的です。本来大切なことは、仏門の戒律は知って頂いた上で、食事の際には故人を思い出す事と故人への感謝が一番大切です。ですから、そのような思いを込めてお酒を頂いたり、仏さまへあげましょう。現在では、お酒(日本酒)ばかりではなく、ビールや焼酎、ワインなど多種あります。どのような場面でも「故人への思い出と感謝」を大切にして頂く、そして仏さまへもこのような思いを持ってあげて下さい。これが故人への最高の供養ではないでしょうか。・・・By おっさま