弘長寺

どうして亡くなった歳を「数え歳」で表すのか

 この地域では、亡くなった方の歳は満年齢ではなく「数え歳」で表します。「数え歳」とは、生まれた時が1歳で、正月(1月1日)を迎える毎に1つずつ加える、日本古来から伝わる年齢の数え方です。お母さんのお腹の中に生が宿る(生まれる十ヶ月前)期間を1歳と数え、生まれた時には、すでに1歳となっているのです。それは「命」というものを、とても大切にしている考え方なのです。そして、お正月には、年神様(としがみさま)から皆が1つ歳を頂きます。それは、皆の誕生日のようなものですから、1月1日に「おめでとう」と挨拶をします(1月1日は、1つ歳をとる誕生日だから「おめでとう」と挨拶する)。よくこの地域では、「12月31日の晩に“歳取り魚”を食べる。」とか「1月1日(正月)になると“1っぽ歳を取った”」などと年配の方は言います。それが、この年神様から1つ歳を頂いた表れです。ですから、弘長寺では亡くなった人に「行年〇〇歳」(〇〇歳は数え歳)と授ける時、“1月1日(正月)誕生日と見なし、年神様から歳を1歳頂く”考え方で、亡くなった日までに、誕生日迎えている方は、「満年齢+1歳」となり、「亡くなった日までに、誕生日迎えていない方は、「満年齢+2歳」としています。(お母さんのお腹で生を授かった歳と毎年1月1日に歳を頂いた考え方です)・・・By おっさま